広告大国タイで、溢れる広告の今をまとめてみた【後編】


 

広告大国タイで、溢れる広告の今をまとめてみた【前編】では『駅』と『ショッピングセンター』のプロモーションや広告に触れましたが、後編ではイケてる屋外巨大サイネージと混沌のタイマーケット事情について書こうと思います。

私の訪れたサイヤムにはショッピングセンターが密集しており、連絡通路で繋がっています。そこでもおもしろかったのは、ショッピングセンターの間にある巨大サイネージ二つが同じ商品のCMで連動していること。

言葉にするのは難しいので、実際の動画をどうぞ。

 

【DD popping】

ダンキンドーナツというファストフード店が販売しているドリンク。バレーボール選手を起用したポップなCMです。

【GALAXY S5】

日本でも販売されているGALAXY S5のCM。(※タイ語わからない)

1つは動画に、1つは静止画メインに。2つに分けることで注目されやすく、一方静止画メインのスクリーンでは何のCMを流しているのかが通り際でも理解しやすいのかも、なんて思いながら見ていました。

しかも静止画メインの方はおそらくプロジェクションマッピング…?入り組んだビルの壁面に映し出しているのがなんともカッコイイ。

前編・後編でまとめたように、タイの広告はクオリティも高く、大胆さがあって何を見ても『ほう…』となるようなものばかり。アジア太平洋広告祭が開かれたということもあって、広告大国タイの本気を感じました。

 

そもそも、どうしてこんなに多くの広告に溢れているのか。それはタイのマーケットは競争がとても激しいことによるように感じます。

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スーパーマーケットに行けば、ヨーグルトだけで二つ分の冷蔵スペースに分けて販売されて、同じような顔の商品が並んでいます。

巧みな外交により成長し、外交の長い歴史を持つタイ。外資企業の参入も激しく内資のみならず競合だらけで、メーカーにしてみれば差別化が難しいこと間違いないマーケット。

だからこそ各社広告に資金をつぎ込み、よりよく、より伝えるためにエージェンシーも多くの工夫をこらす。街は広告で溢れかえり、こうしてタイは広告大国となったのでしょう。

 

けれども広告がありすぎるからこその問題である『広告離れ』をひしひしと感じました。街の人たちを観察していたら、広告なんて見ていませんでした。

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電車内にいる人はスマホ見たり本を読んだり、屋外の巨大サイネージも立ち止まって見てる人はもとより、目を向ける人もいませんでした。まじまじと見ているのは、動画をとっている私くらい。

『広告なんて誰も見ていない』

この広告大国タイに来てこそ、感じ取れたことでした。

広告が至る所にありすぎて、効果測定も難しい…費用対効果を考えてもクライアントの納得いくものになっているのだろうか…

『広告代理店離れが進む、タイ若手映像クリエイターの“本音”』
 http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20140115/1054570/

この記事に書いてあるように、広告業界はタイで憧れの的だった時代も終わり、広告クリエイターの広告離れが激しいという現実があります。見る人も、作る人もいない。広告大国タイなのに。

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けれども感動的なタイのCMは世界の広告賞を総なめにし、日本でもよくソーシャル上でシェアされています。広告業界は暗雲立ちこめると言われても、2013年、タイの広告費は前年比1%増、日本の広告費も1.4%増と近似している成長軌道。

 きっと、世界から広告が消えることなんてない。これからどう変わっていくのでしょうか。この広告大国タイに来て、広告の未来について考えて、また頭がぎゅっとなる。そんなタイでの5月でした。