グローバル化に大切なのは、人の価値観を受け入れることだと思う。〜インド人、嘘つかない〜


かつて『およげ!たいやきくん』を歌った子門真人さんの
『インディアンの教え』という曲をご存知でしょうか?

『インディアン嘘つかない♪良い子になれる♪』

このように耳にも印象にも残る曲がある一方で、インドへの旅行者たちに問えば『インド人は嘘つきだ』と言われる事実があります。

私もインドに来る前には『嘘つかれるから気をつけてね!』と心配され、ネットでインドについて調べても『インド人は嘘つきと言いますが本当ですか?』という質問に溢れている。それだけインド人=嘘つきというイメージが強く感じられました。

 

その理由としては以下のことが挙げられていました。

・騙し、ぼったくりが多い
・スリや盗難が日常茶飯事
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・道を聞いたら全員が違う方向を指差す
・適当なことをすぐに言う

これだけ嘘や軽犯罪で被害にあったとすれば、言われてしまうのも分かる気はします。けれどもインドに来てこそ分かったのは、これらには理由があったということ。それはまたこのインドという国の事情、文化や価値観に深く関わっているようでした。

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前述の要素を点線で分けたことにはそれぞれに異なる理由があります。

・騙し、ぼったくりが多い
・スリや盗難が日常茶飯事

これは『発展途上国という現実』『観光客が被害に接触しやすい』ということが関係していると思います。インドは今やIT産業が盛んになり、各国から大企業が進出している。とはいえカーストや政治の影響でやはり貧富の格差は未だに強く残っています

そしてインドへの観光客が触れ合うインド人は貧しい人が多い。観光地といえばお金を持った観光客がいるからこそスリや詐欺が多発します。物乞いも多くいますし、観光客の使うタクシー『リクシャー』の運転手もスラムに住まいしている人が多くいます。

旅行という大切な思い出になるべきものに気持ちの良くない記憶が残れば、それは強くネガティブなイメージになってしまいます。しかしながら、観光客の目につくインド人というのはお金を欲している。だからこそ騙しやぼったくり、軽犯罪を起こしてしまうことも理解できなくはありません。

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・道を聞いたら全員が違う方向を指差す
・適当なことをすぐに言う

これらは、実は親切心から生まれた嘘なのです。嘘が親切心、なんて信じられないかもしれませんが、インド人はカルマを信じる親切で優しい人たちなのです。

カルマとはヒンドゥー教の法則で、『為すことすべてはいかにとるに足らな いことであろうと、ついにはわが身に還ってくる(因果応報)』というものです。ヒンドゥーは輪廻転生を信じているため、単に生まれてから死ぬまでだけのものではなく、『善きことや悪しきことが身の上に起きたなら、それはこの世かあるいは前世の行ないが原因である』と考えます。

だからこそ、今目の前にいる人に良いことをしようとする、親切にしてあげようとする。嘘をついてしまうのも、『目の前で困っている人がいて、自分も分からないけれど教えないのは親切でない』という考えから生まれる嘘なのです。

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私は二ヶ月近くインドに居ますが、今まで悪いインド人といわれる人に会ったことはありません。たくさんのインド人の親切心に触れて、その度泣きそうになったくらいです。

おつりがなくてリクシャーから降りれなかったら炎天下の中おつりを探しまわってくれたり、同い年で初対面なのにご飯をごちそうしてくれたり、ホーリー迷子になっていた私に50ルピーを預けて目的地まで連れて行ってくれたり。

私が嫌な目に遭っていないからこんなことを言っていられるんだ、というわけではないと思うのです。信じられないことも、許せないだろうこともたくさんあったかもしれません。でも忘れてしましました。先入観を無にして、能動的にコミュニケーションをとって、新しい価値観に触れることを全力で楽しんできました。

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きっと知らないこと、受け入れられないことは、この世界にたくさんあります。けれどもそれらを知ろうとせずに拒絶していては、今できた価値観でしか物事が見られません。それに疑いは相手にも察されてしまいますし、そこに信頼が生まれることはないと思うのです。

人の数だけ価値観があります。グローバル化と謳われる今、本当に大切なことは他の文化を、価値観を受け入れるということではないのでしょうか。