インドの生と死と、JAPAN・TSUNAMI。


 

【検証】史上初!?インドの聖地バラナシでわらしべ長者をやってみた。』にも出てきた、寺院での出来事について書こうと思います。

インドの生と死と、JAPAN・TSUNAMI。

 

インドではヒンズー教徒が80%を占めています。ヒンズー教の教えにより、人々は生まれ変わるつど苦しみに耐えねばならない。それを救うのがバラナシにあるガンジス川なのです。

ガンジス川はインドでガンガーと呼ばれ、『ガンガー近くで死んだ者は輪廻から解脱できる』と考えられています。ガンガーの聖なる水で沐浴すれば罪は浄められ、全国から巡礼者が訪れてはガンガーに体を浸して祈りを捧げる。

ガンガ

輪廻転生を信じているヒンドゥー教徒はお墓を作りません。私も見てきた火葬場マニカルニカーガートでは、365日インド中から集まる遺体が火葬され、ガンガーに流される。

生と死に触れる場所、生と死を考える場所。バラナシは、そんな不思議な空気に包まれています。

 

そんなバラナシの路地に、人々が溢れかえる小さな門がありました。そこにはバラナシで最高峰のヒンドゥー教寺院が並んでいるというのです。

NOカメラ、NOモバイル、NOメモ。厳重な検閲を受け、私たちもその門をくぐりました。そのためお寺の名前は覚えていませんが、細く長い路地を行った一番奥に、そのお寺はありました。

寺院の入り口で靴を脱ぎ中に入ると、脇にいた僧侶が腕を差し出すように言ってきました。お経を唱えながら、私の腕に赤と黄色の混ざった糸を巻き、おでこにインドでよく見かける赤の印をつけられる。

『Long Life.』

そう言って、僧侶は手を合わせてきました。

写真 (1)

すると「Japanese?」と1人の僧侶が尋ねてきました。「Yes.」と答えると、その僧侶は笑顔を見せて多くは語らず歩き始める。

「これがシヴァライスだよ」「これがハヌマーンだよ」まつられる神や理由を説明して、その場所場所にいるお布施を求める他の僧侶を避けて案内してくれる僧侶。

最後に案内してくれたのが、少し奥まったところにある祠のような場所でした。『This is “Long Life.”』そう言うと、少し悲しそうな顔でこう続けました。

「Japan,TSUNAMI…」

そうして静かに、私に向けて手を合わせたのです。

 

”Japan,TSUNAMI.”

自分自身の震災の忘れたい記憶、失ってきたもの、そうして得てきたもの。それだけではない、今こうして日本を離れた地で祈る人がいるということ。その瞬間、いろんな想いが溢れ出して、涙を流していました。

あとの涙をこらえて、僧侶に心から「Thank you.」と伝えました。きっとこの僧侶は何も知らない、目の前の私がまさに震災で何かあったなんて、きっと思っていない。それでも手を合わせて祈っている。

inori

私も祠に向かって、手を合わせました。今までにないくらい神に向けて、強く。

『私、生きたいです。』

生きなきゃいけない。忘れてはいけない。3年経って風化しつつあっても、日々意識できないようになっていても。こうして祈っている人がいる限り、日本には絶対に良い未来が待っているから。

大事な人たちを守りたい、みんなずっと幸せであってほしい。目の前にあるものを、目の前にいる人を、愛し続けよう。この腕に巻かれた糸に、誓いました。